活動内容

<これまでの活動>

どさんこ海外保健協力会は、北海道で家庭医の草分け的存在として地域医療を実践してきた楢戸健次郎医師を中心に1994年に設立された、発展途上国で保健活動を行う北海道発のNGOです。 設立以来、医師やコーディネーターなどの長期ワーカーを派遣し、カンボジアの農村部では保健ボランティアの育成や健康保険のシステムづくりなどの地域保健の支援を行いました。 2011年の東日本大震災では、宮城県気仙沼市を中心に支援を行い、2015年度までは毎月、医師看護師を派遣し、コミュニケーティーを支える地元団体の支援し、仮設住宅や地域での健康相談会などを実施しました。 ネパールでは、2011年度より、西部の地方の病院で予防教育や衛生環境整備といった活動の支援をしています。2015年4月のネパール大地震では、避難所での仮設学校や診療所の支援から、震災孤児への生活、教育支援を行っています。

<現在の海外活動>

楢戸健次郎医師が、現地で活動しています。
1.ネパール西部チョウジャリ病院公衆衛生部門への支援活動
 カトマンドゥから公共バスで約一日、ルクム郡チョウジャリ病院はあります。患者さんの中には、山道を2、3日かけて診察に来る人もいます。当会では、2011年より楢戸医師がアドバイザーとなって病院内の公衆衛生部門の活動支援、資金協力を行っています。また、同地域農村部における保健医療の人材育成を目的に、奨学金制度による支援を行っています。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、ロックダウン中のネパールで、支援中のチョウジャリ病院が経営危機に陥っています。皆様のご支援をお願いいたします。
2.ネパール大震災支援活動
2015年の緊急支援後、地域のニーズに応じて就学支援と衛生教育支援を被災地6つの地域で行っています。
 就学支援:親を亡くしたり、障害をおったりした子供たちを生活支援として奨学金制度や交流会にて応援しています。生計支援に一部職業研修サポートも行っています。
 衛生教育支援:2017年まで歯磨き教室を、現在は救急箱の配布を地域の奨学生の通う学校を中心に行っています。

 

様々な活動

過去の活動

1 ~命を守る人づくり・システムづくり~
1996年~2006年 バッタンバン・タケオ州など
1996年から2006年まで、松本清嗣さんが代表をつとめる「るしな・こみゅにけーしょん・やぽねしあ」と協力して、4州・34 村で、保健ボランティアを育成しました。
また、健康保険のないカンボジアでも、病気や怪我の時に、すぐに医療機関に行けるようにするため、資金を無利子で貸し付ける制度を 作りました。保健ボランティアと村の協同組合で運営されています。
現地の住民で運営できるようになったことから、2006年6月をもって活動を終了しました。
評価報告書はこちらからご覧ください。
この活動は現地NGO「CCN」が引き継いでいますが、“どさんこ”は2014年度より、「CCN」への協力を再開しています。
2 ~産婆さんへの協力~
2006年~2007年 クラチェ州
2006年から、カンボジアの中でも、まだ支援の届いていない少数民族の人たちの地域での活動を始めました。
カンボジア北東部クラチェ州で、カンボジアのNGOであるCMSSOと協力して、
少数民族(マル族、トゥモーン族、プノーン族)の4村にいる産婆さんへの教育を通じて、赤ちゃんとお母さんの命を守る活動をしてい ます。
3 ~少数民族に学校を~
2007年11月~2012年3月 ラタナキリ州バンルン 少数民族ジャライ族の村
辺境の地にまで押し寄せる開発の波は、村人の伝統的生活に大きな変化をもたらしました。
村人の中には、半ば騙される形で土地を失ったケースもあり、これまでの生活が脅かされているのが実情です。
教育の機会がなかった彼らの「子供たちを学校に行かせたい」という強い願いをうけ、丹野ワーカーのもと、小学校建設と教師の養成を行うことにしました。
校舎は無事完成し、ラタナキリ州教育局から教師を派遣してもらい授業が始まりました。
なお、学校建設にあたり、会員の皆様・各種団体から多額の寄付金をいただきました。厚く御礼と感謝申し上げます。

2022年04月06日

救急箱配布

現地訪問している学校のほとんどは、救急箱がないかあっても中身が入っていません。
 学校から病院が遠かったり、簡易診療所があっても医療従事者が駐在していなかったりすることもあります。生徒たちの学校での急な発熱や怪我はあり、先生たちも自宅に帰すことしかできない状況に困っていました。
 2018年から開始した救急箱の配布に伴い、応急処置ができるようになって安心、生徒たちの苦痛やリスクを軽減して病院受診させることができるという、学校からの声をききます。子供たちができるだけ安全に学校で学べるように、被災地の学校に届けていきます。

2022年04月06日

公衆衛生普及活動

被災地6つの地域(ゴルカ、ラスワ、ヌワコット、ダーディン、シンドゥパルチョーク、ドラカ)に住む親を亡くしたもしくは障害をおった子供たちを、奨学金制度にてサポートしています。
 現在4歳から20歳39名の子供たちを応援しており、定期的に現地を訪問し奨学金を手渡します。交流会では、一緒にご飯をたべたり、必要な子供たちやご家族に日本から寄付いただいた古着をお渡ししたりしています。

 
 保健活動では、被災地の奨学生が通う学校などで歯磨き教室を中心に行いました。ネパールでは、学校で歯磨きの実習を含めた授業はありません。一方で、定期健診はなく、受診機関の不足や経済的な問題などから虫歯がかなり悪化してから病院に行く人が多い状況です。また、医療保険などの整備は不十分で、多額の治療費が必要になり治療を受けるのが大変になります。
 予防の第一である歯磨きについて、当会では実習を含めた活動を行いました。2016年から2017年で、14校4500名以上の生徒と学校教員の方が参加しました。

2022年04月06日

大震災支援

被災地6つの地域(ゴルカ、ラスワ、ヌワコット、ダーディン、シンドゥパルチョーク、ドラカ)に住む親を亡くしたもしくは障害をおった子供たちを、奨学金制度にてサポートしています。
 現在4歳から20歳39名の子供たちを応援しており、定期的に現地を訪問し奨学金を手渡します。交流会では、一緒にご飯をたべたり、必要な子供たちやご家族に日本から寄付いただいた古着をお渡ししたりしています。
地震前は、農家として生計を立てていた家庭がほとんどで、もともと経済的に余裕のある生活ではありませんでした。今回の震災で家族だけでなく、家や家畜などを失い、多くの家が生活の立て直しが困難である状態です。
 子供たちの中には、地震から3年経った現在も避難キャンプや仮設家屋、孤児院に住んでいる子もいます。(左上写真:避難キャンプの仮設住宅に住むスシルくんスバスくん兄弟、サルミラちゃんアシスマちゃん姉妹、地震でともに両親を亡くしています。避難キャンプの仮設家屋訪問時にて。)
 中学校までは無償教育ということになっていますが、制服や文房具、試験料(ネパールはテストを受けるのに試験料を払わないといけない学校がほとんど)、お昼の軽食など費用がかかります。

2022年04月06日

ネパールならではの取り組み

furnace

お母さんと子どもを守ることから始まった煙突型かまど作り」
 村の多くのお母さんは家事に、畑仕事に、家畜の世話に、水汲みに、薪拾いに忙しく、なかなか赤ちゃんや小さな子供のケアをじっくりできる時間がありません。赤ちゃんが風邪を引き出したときの対処や、子供たちがご飯を食べる前の手洗いの促しなど、なかなか手が回らないことがあると、家の状況を地域のお母さんたちと公衆衛生スタッフで共有しました。
 村では、鍋が置けるくらいの壁を土で作っただけのかまどが主流です。もちろん煙は全て部屋の中に充満します。そして、大変なのは料理に時間がかかること。さらにかまどは一つだけで、ご飯やおかずを順番に作っていくしかありません。火おこしにも時間がかかる。
 
 そこでスタッフがたどり着いたのが煙突型かまど。レンガと土を使って作るかまどは、作り方を学べば誰でも家で作れます。
 かまどの評判は広がり、お母さんたちから「料理にかかる時間がかなり短縮された。その分子どもたちと過ごす時間にあてられるようにもなって、うれしい」との声。また、煙が外に出ることで、肺疾患などの予防にも繋がり、家族の健康も守ることができます。

2022年04月06日
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